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少品種で高品質な菓子づくりを貫く 満 月 比叡山で修業する僧にちなんだ「阿闍梨餅」 ![]() 江戸末期の安政三年(1856)の創業。初代当主は滋賀県の出身で、京都に出てきて出町橋近くに店を構えたが、幕末の争乱を避けていったん郷里に引き上げた後、明治初年に再び出町柳で出店した。さらに戦時中の強制疎開で現在地に移り、今日まで暖簾を守り続けている。 満月の名声を不動のものとしたのは、大正期に二代目当主が開発した「阿闍梨餅」であろう。餅米をベースにして、氷砂糖や卵といったさまざまな素材を練り合わせた生地に、丹波大納言小豆の粒餡を包んで焼いた半生菓子で、しっとりとした皮とあっさり風味の餡が見事に調和した逸品だ。阿闍梨餅という言葉は、高僧を意味する梵語を語源とし、日本では天台・真言の僧位を表している。中央部が盛り上がった形は、比叡山で千日回峰修業を行なう阿闍梨がかぶる網代笠を象ったもので、厳しい修行中に餅を食べて飢えをしのいだことにちなんで考案されたという。もう一つの看板菓子となっているのが明治初期に考案された「満月」。明治期には旧九條公爵御用達にもなった銘菓だが、実は戦後三十年近く生産が途絶えていた。これを近年になって若主人が苦心の末復元し、現在は曜日を限定して本店のみで販売されている。 材料を落とさず、値段を上げないよう努力 当店には、「一種類の餡で一種類の菓子しかつくらない」という基本方針があります。一つひとつの菓子は、職人のあらゆるノウハウが注ぎ込まれた作品であり、餡は、ただ一種類の菓子のために素材を選択し、味付けや加工法まで考え抜いて開発されるものだからです。必然的に多くの種類の菓子はつくれないということになり、当店では、阿闍梨餅、満月、棹物の京納言、最中の四種類の菓子しかつくっていません。 私の父にあたる先代は生粋の職人肌で、人を雇って働いてもらうのが不得手だったため、商品の種類が少ないにも関わらず、労力不足が深刻な問題となったようです。そこで、味に影響がない部分については、早くから機械化を推進しました。しかし、職人の技を再現することを第一条件として開発したため、当時としてはかなり製作費用がかかったと聞いています。先代のそうした努力により、品質を落とすことなく能率を向上し、当店の菓子は、さらに多くの方々に食べていただけるようになったというわけです。 当店のもう一つのモットーは、「材料の質を落とさず、値段は極力上げないよう努める」というものです。私は、納得できる商品をつくり、納得できる価格で販売することも、京都の老舗の心意気であると思っています。また、満月の他にも生産の途絶えている菓子がありますので、将来的には一つずつ復活させていきたいと考えております。 |
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創業 ○安政3年(1856年) 商号 ○株式会社満月 所在地 ○京都市左京区鞠小路通今出川上ル 電話 ○075-791-4121 ファクス○075-712-6885 営業時間○午前9時〜午後5時半 定休日 〇水曜日(本店) 予約 〇「満月」のみなるべく予約を |
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